近年、マーケティング施策のひとつとして注目されているオウンドメディア。
オウンドメディアには、情報発信がしやすい、見込顧客を獲得できるなどのメリットがあります。一方で、デメリットもいくつかあるため、正しく理解した上で運営することが大切です。
本記事では、オウンドメディアのメリット・デメリットを詳しく解説します。メディア運営を成功させるポイントにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
メディア運営やSEOについて
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オウンドメディアが注目されている3つの背景
オウンドメディアが注目されている背景は、以下の3つです。
- ネット広告の効果を期待にしくくなっている
- SEO対策の重要度が増している
- 自社のコンテンツが蓄積されていく
オウンドメディアが注目されている理由を正しく理解していきましょう。
ネット広告の効果を期待にしくくなっている
自社の商品・サービスをアピールする際にはネット広告が広く使用されてきました。しかし、最近ではネット広告の限界が見えてきたと言われています。
広告は即効性のある手法ですが、この数年でネット上のあらゆるコンテンツに広告がつくのが当たり前になり、「コンテンツの邪魔」だと嫌う人が増えてきています。また、広く普及したことにより広告枠を争う企業も増えており、広告を使った集客コストは高騰しています。
また、ユーザーに合わせて適切な広告を表示する手法は、プライバシーを侵害するとして規制が求められているのも、オウンドメディアが注目される理由です。
企業の立場で考えれば、広告を出す時にはできるだけ買ってくれそうな消費者に絞って表示したいと思うのが当たり前。しかし、ユーザーの立場から見ると、「自分の行動が見られている」という印象を抱いてしまうのも無理はありません。
また、イタリアで個人情報保護の観点からChatGPTが禁止されたように、世界的にもプライバシー保護を重視する風潮が強まってきています。広告プラットフォームの側でも対応はしていくと思われますが、同時に広告に頼らないマーケティングの方法も持っておくことが重要です。
SEO対策の重要度が増している
欲しいものや気になる情報を調べるときに、ほとんどの人が検索エンジンを利用しているため、SEOの重要度が増しています。
SEOとは、検索エンジンでの上位表示を目指す取り組みであり、自社サイトをより多くの人に見つけてもらうために欠かせません。
検索エンジンはいくつかありますが、SEOはGoogleへの対策を指すことが多いです。Googleは定期的な大型アップデートや細かなアップデートを実施し、ユーザーにとって有益なサイトを評価する傾向が強くなっています。
オウンドメディアで有益な記事を発信し、Googleからの評価を得られれば、認知度アップや売上アップなどを実現しやすいです。ネット広告の限界が叫ばれている中で、SEOの重要性が高まり、オウンドメディアの有用性がさらに増していくでしょう。
自社のコンテンツが蓄積されていく
オウンドメディア施策に活用されることの多いブログは、投稿した記事がコンテンツとして蓄積されるのが特徴です。
最近はインスタグラムやTikTokなどのSNSでの集客が話題に挙がりますが、SNSは拡散性が高い代わりにどんどん新しいコンテンツが発信されるため、古い投稿はすぐに読まれなくなってしまいます。発信を止めれば誰にも届かなくなってしまうため、新たに消費者にアプローチするためには、常に投稿し続ける必要があります。
一方、ブログは記事がストックされていくため、過去に書いた記事も(ニーズを満たしていれば)検索されて消費者に読んでもらうことができます。拡散性のあるSNSと情報をストックできるブログとを組み合わせることで、より施策の効果を高めてくれます。
投稿から時間が経った古い記事も、更新して最新のニーズに対応することでGoogleの評価を受けやすくなります。高く評価される記事が増えるほど関連する他の記事も上位表示されやすくなることもあり、良い記事を書けば書くほど施策効果は高まっていきます。
こういった特徴から、長期に渡って集客やブランディングなどの効果が期待でき、コストパフォーマンスに優れている点が注目されている理由です。
オウンドメディア運営について
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オウンドメディアのメリット
オウンドメディアで期待できるメリットは、以下の6つです。
- 自社の商品・サービスやブランドイメージを広げられる
- 場所を問わず見込み顧客を獲得できる
- SNSによってコンテンツを拡散できる
- 優秀な人材を採用できるチャンスが生まれる
- 取得したデータを戦略に役立てられる
- 宣伝広告費を低く抑えられる
メリットを一つひとつチェックし、オウンドメディア運営のイメージを膨らませましょう。
自社の商品・サービスやブランドの認知を広げられる
オウンドメディアを効果的に活用することによって、自社の商品・サービスやブランドの認知度を高められます。
ユーザーの抱えている課題や知りたい情報をリサーチし、丁寧に応える記事を書いていくことで、自社や商品に興味を持つ人に届く機会は増えてきます。
記事を書くことで検索エンジン上に表示されるのはもちろん、ニーズに応えるコンテンツが作れていればSNSでの拡散、メルマガや広告を使った流入といった複数の経路を使って広げることができます。
場所を問わず見込み顧客を獲得できる
オウンドメディアは、インターネットを活用したWebマーケティングのひとつです。インターネットを利用するユーザーを対象にできるため、場所や時間に縛られずに発信できます。
日本国内であれば、北海道の企業が運営するオウンドメディアでも、沖縄のユーザーとの接点をつくれるのがメリットです。オウンドメディアを多言語に対応すれば、海外にまでターゲットを広げて顧客の獲得に生かすことができます。
SNSによってコンテンツを拡散できる
オウンドメディア単体でも効果的な集客やブランディングを期待できますが、SNSとの組み合わせによって効果を最大化できます。
オウンドメディアで投稿した記事をSNSで発信することで、フォロワーや興味のあるSNSユーザーに向けてアプローチが可能です。また、自社からの発信だけでなく、シェアやユーザーが発信するコンテンツで言及されるなどさまざまな経路からの拡散を狙うことができます。
もちろん、より多くの人に拡散されるには、ユーザーの悩みや要望に応えるクオリティの高い記事であることが前提になります。
メディアで集客やブランディングに取り組む場合は、しっかりユーザーの調査と良いコンテンツを作りながら、SNSも育てていきましょう。
優秀な人材を採用できるチャンスが生まれる
オウンドメディアは、商品・サービスの訴求だけではなく、人材採用にも活用できます。自社の強みやビジョン、社風などを発信するメディアとして運営すれば、求職者へのアピールが可能です。
コンテンツの中でも、経営者や社員の顔が見えるコンテンツは求職者に求められています。普段見られない現場の様子を知ることによって、自分に合う職場かを見極められるので、多くの応募を期待できるのはもちろん、採用後のミスマッチを減らすことも可能です。
取得したデータを戦略に役立てられる
オウンドメディアへのアクセス、記事からのコンバージョンなどはデータとして蓄積されます。データは、オウンドメディアやコンテンツの改善に役立てることが可能です。
たとえば、アクセス数は伸びているものの、商品・サービスのコンバージョンが思うように発生していないなら、訴求が弱い可能性があります。商品の特徴をより詳しく解説したり、口コミを挿入したりするなど、より興味の湧くコンテンツに改善しましょう。
数値の確認や分析は単発ではなく、継続が大切です。こまめな分析と改善を繰り返し、より良いオウンドメディアに成長させましょう。
宣伝広告費を低く抑えられる
オウンドメディアは、コンテンツを制作するコストはかかるものの、一時的な広告を頻繁に出稿するよりも宣伝広告費を抑えやすいです。
オウンドメディアのコンテンツは資産として蓄積されるため、持続的な効果を期待できます。一度制作したコンテンツを編集によってこまめに更新すれば、制作コストをかけずに集客効果を得られるのがメリットです。
オウンドメディア運営について
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オウンドメディアのデメリット
オウンドメディアには多くのメリットがある反面、気を付けたいデメリットもあります。4つのデメリットを確認し、あらかじめ対策や体制づくりに取り組みましょう。
- 効果が出るまでに時間を要する
- コンテンツを制作する手間とコストがかかる
- 運営するためには専門的な人材が必要になる
- 記事の質次第で評判が落ちるリスクがある
効果が出るまでに時間を要する
オウンドメディアは、強力なマーケティング施策である一方、即効性はあまり高くありません。SEOの評価を得るためには、質の高い記事を単発で発信するだけでは十分でなく、継続的に投稿する必要があります。
記事投稿を続けることでオウンドメディアが成長し、有益な情報を発信しているサイトと認識され、検索エンジンからの評価を高めることが可能です。
結果が出るまでに時間がかかることから、周囲の理解を得られない場合もあります。目に見える成果で判断されると、プロジェクトがストップするケースが多いので、十分に理解を得て取り組むことが大切です。
コンテンツを制作する手間とコストがかかる
オウンドメディアを継続的に運営するためには、記事の執筆・編集や画像のデザインなど、さまざまな業務が必要になります。
自社の人材が担当する場合も、制作会社に外注する場合もコストがかかるので、長期的な視点で予算やリソースの確保が必要です。
効果が出るまでに時間がかかるため、コスト削減の対象にされやすい点に注意しなくてはいけません。成果が出るタイミングを予測し、見通しに理解を得て、十分なリソースを確保しましょう。
運営するためには専門的な人材が必要になる
質の高い記事を製作するためには、専門的な人材が必要です。SEOに配慮した記事を執筆できるライター、適切なキーワードを選定し記事をより良く編集できるディレクターなど、コンテンツの作り手の知識・スキルが成果に直結します。
自社に専門的な人材がいない場合は、外注が必要です。費用がかかるのはもちろん、任せっきりにすると自社にノウハウが蓄積されません。こまめに情報共有を行い、ゆくゆくは自社で運営できるように効果的に外注を活用しましょう。
記事の質次第で評判が落ちるリスクがある
有益な記事は集客や売上に良い影響を与えますが、質の低い記事は評判を落とす原因になります。特に記載している情報が誤っていた場合には、信頼を失うリスクが高いです。
近年は、SNSが一般的になり、拡散によって思いがけず大きな問題になることがあります。正しい情報を発信するためには、専門的な人材を採用するのはもちろん、チェックできる体制を整えることも大切です。
オウンドメディア運営について
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オウンドメディア運営を成功させる5つのポイント
オウンドメディアのメリットは、しっかり運営できたときに初めて期待できます。成果を出すためのポイントは、以下の5つです。
- 運営する目的を明確にする
- ターゲット設定に時間をかける
- コンセプト設計に力を入れる
- 継続的に運営する
- 定期的に効果測定し改善を繰り返す
一つひとつポイントを実践し、オウンドメディア運営を成功させましょう。
運営する目的を明確にする
オウンドメディアを始める前に、何のために運営するのかを明確に定めましょう。商品・サービスの売上を高めたいなら、商品・サービスに関する情報がコンテンツの軸になります。
人材採用のために活用するなら、社風やスタッフなど自社ならではの情報を発信するメディアになるはずです。
目的がブレていると、コンテンツの内容にも一貫性が欠けてしまいます。オウンドメディアで解決したい課題を明確にし、メディアの軸を確立しましょう。
企業によっては、オウンドメディアに期待したい効果が複数ある場合も考えられます。はじめからすべてを達成しようとするのではなく、目的に優先順位をつけることが大切です。
ターゲット設定に時間をかける
オウンドメディアは、誰に向けて発信するかも重要です。ターゲットが定まっていないと、せっかく記事を制作しても、自社がアプローチしたいユーザーに届く可能性が低くなります。
ターゲットを設定する際は、より詳細な人物像を想定することが重要です。たとえば、オウンドメディアの制作サービスを訴求するなら、以下のようなペルソナを想定できます。
マーケティング施策としてオウンドメディアを始めることになったが、自社にリソースがないため、外注することになり、外注先選定の担当になった20代後半の男性。調べてみたところ、オウンドメディア制作会社は数が多く、どこを選べばよいかわからない。自社に合った制作会社を探すために、オウンドメディアに関する情報を収集している。 |
上記は一例で、どのような目的でどのような行動を取っているかまで想定すると、メディアの方向性や記事の内容を検討しやすくなります。
ペルソナの作成の詳細については以下の記事で解説しています。
コンセプト設計に力を入れる
オウンドメディアの軸を決める上で、コンセプト設計も欠かせません。コンセプトを考えるときに重要になるのは自社の強みです。強みをアピールできるコンセプトは独自性があり、他社のオウンドメディアとの差別化を図ることができます。
たとえば、自社に豊富なデータや事例があるなら、定量的なデータを生かした正確な情報を発信するといったコンセプトが良いでしょう。
まずは自社の強みを洗い出すところから始めるのがポイントです。強みの中から自社ならではのものを見つけ出し、コンセプトに生かしましょう。
継続的に運営する
オウンドメディアで何より大切なことは継続して運営することです。検索エンジンに評価されるためにも、顧客の信頼を獲得するためにも、継続的に有益な情報を発信する必要があります。
継続的な運営のためには、体制づくりや周囲の理解が必要です。ライターやディレクターなどを揃えたチームを形成した上で、成果が出るまでに長期的な取り組みが必要になることの理解を得て、地道にコンテンツ制作や改善を続けましょう。
定期的に効果測定し改善を繰り返す
オウンドメディアの成功には、こまめな改善が欠かせません。ひとつの記事をとっても、公開した状態が最善とは限らず、アクセス数やコンバージョンなどの数値を元により良い記事に改善し続ける必要があります。
また、コンテンツの効果を思うように得られない場合、オウンドメディアのデザインや導線などに問題があることも多いです。ユーザーが見たいコンテンツにたどり着けていなかったり、デザインが見にくかったりすると離脱につながるので、サイト全体の改善も必要になります。
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オウンドメディアのメリットを理解して運営を成功させよう
オウンドメディアでは認知度アップや売上アップなどの目的に合わせて、自社のコンテンツを自由に発信できます。継続的にユーザーにとって有益な情報を発信し続ければ、集客やブランディング、採用など、さまざまなメリットを得られるのが魅力です。
一方で、効果が出るまでに時間がかかりますが、制作に手間やコストが発生するため、コスト削減の対象になるケースが多くあります。周囲の理解を得た上で、しっかり体制をつくって長期的に取り組むことが大切です。
オウンドメディアを運営する際に立ち上げてからの部分に目が向きがちですが、目的・ターゲット・コンセプトを設計してから、本格的に運営を始めていきましょう。
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