写真撮影サービスはWeb制作会社にとって必須。そしてWebディレクターの重要な仕事のひとつに写真撮影ディレクションがありますが、案外「ちょっとニガテ」「なんとなく進めてしまっている」というかたも多いのではないでしょうか。
ミニマルデザインが流行っている昨今では、写真はデザインの印象を左右するほど大きな要素。良い写真を撮るには、カメラマン(フォトグラファー)の腕もさることながら、ディレクションが超!重要なのです。
撮影ディレクションの肝、まずは準備から!
写真がはまるデザインをしっかり確認する
ごくあたりまえのことですが、まずはデザインをしっかり確認しましょう。
たとえば下のデザイン、代表香川は左向き、社長アベは右向きとなっていますよね。こちらは、できるだけ文章に目を向けてほしいという意図のもと、被写体の目線(顔の向き)をそちらに向ける視線誘導をおこなっています。

このように同じ人物撮影だとしても、デザインによって、右向き・左向き・正面、カメラ目線・目線外し、バストアップ・全身(爪先まで)、右側あるいは左側に大きく余白……など、条件が大きく異なります。
最近はパソコンとスマートフォンで使用する写真を変える場合もあるので、「パソコン用の写真は撮ったけどスマホ用に使える写真がない……!」なんてことにならないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。
どんな写真を入れるべきか迷うときは、制作を担当してくれたデザイナーに相談することも多々あります。
デザインは、印刷して撮影当日は持ち歩くのがベターです。
イメージ写真か、説明写真かを認識する
どういう写真を撮影するか考える際に必ず認識しておきたいのが、「これはイメージ写真なのか、説明写真なのか」素材の使用方法です。
イメージ写真とは、雰囲気を伝えるために使われる、デザイン的な意味合いが強い写真のこと。背景をぼかすなど、より美しく、よりオシャレに、といったことが求められます。
説明写真とは、ECサイトの商品説明画像のようなものです。細部までハッキリ見てもらったり、より現実に近い色で商品を確認してもらったりするための画像になりますので、雰囲気より、伝えたい情報がしっかり伝わることのほうが重要です。


たとえば同じ「パソコン」を撮った写真ですが、1枚目はイメージ写真、2枚目は説明写真と分類することができます。
1枚目は、パソコンそのものについて何か具体的に伝えようとしているわけではないですよね。パソコンがある風景を挿絵として使用することで、デザインを整える、雰囲気を伝えるなどといった役割を持たせることができる画像です。
対して2枚目は、Apple公式サイトにて、以下の見出しとともに掲載されている写真です。
Retinaディスプレイ
Apple公式サイト
美しさが、もっと際立つ。
ディスプレイの緻密さを説明するための写真なので、パソコンのなかでもディスプレイにフォーカスし、わざと複雑な模様を表示させていることがわかると思います。
このように、イメージ写真か説明写真かによって、ボケの強いレンズを使うのか、どんな表現にするのかなど、同じ題材でもだいぶ違った仕上がりになります。
今回撮りたい写真がどちらなのかディレクター自身で認識しておくことは当然ですが、クライアントにも、あらかじめそれを理解しておいていただく必要があります。
そうでないと、撮影したあとに「思っていた写真と違う」などといったクレームにつながりかねません。なんのために使われる写真なのか、事前に関係者全員の認識をすり合わせておきましょう。
参考写真をピックアップしておく
撮りたい写真のイメージが固まったら、できるだけそれに近い写真をネットなどで探しておくとよいです。
自分の頭のなかにある画を、クライアント・カメラマンと共有するためです。言葉でどれだけ説明したとしても、それぞれの想像に多少の齟齬が出てしまうのは仕方のないこと。
百聞は一見にしかず、具体的なイメージを固めておきましょう。絵が描けるかたは、ラフ画の作成もおすすめです。
撮影場所の様子をつかんでおく(できるならロケハンを)
特に外での撮影になる場合、人通りの多さや、時間による日当たり・影の向きなども考えておく必要があります。

たとえば上のような写真が撮りたければ、人が少なく、太陽が画角の左側にある時間帯を選ぶ必要があります。ここまで影が伸びるのは夕方以降でしょうか? スケジュールから逆算すると「撮れない」と判断されることもあるかもしれないですね。
撮れないことが事前にわかれば、別のカットにするか、撮影日を変えるか、貸切にしてでも撮るか……などの対処が可能です。最悪なのは、当日撮影現場で撮れないと発覚すること。
クライアントに平謝りしながら再度スケジュールを組み直し、予算も2日分に膨れ上がる、なんて、考えただけで冷や汗が出ます(涙)。
理想は別日の同時間帯にロケハンをしておくことですが、難しければ、Googleマップ(ストリートビューもなかなか使えます)を駆使したり、ネットにアップされている撮影場所の写真を探したりなど、できる限りの事前準備をしておきましょう。
カットリスト、スケジュールを綿密に作成する
ここまでで決めた内容を、「カットリスト(香盤表)」に落とし込みます。

同じ照明が使えるものは続けて撮る、移動時間が抑えられるよう順番を考える、など、工夫次第で撮影時間を短くすることができます。カメラマンさんは時間単位の契約であることが多いので、ディレクターの腕次第で予算まで変わってくるということですね。
また、クライアント企業役員の撮影がある場合などは、きちんとスケジュールを組んでおくことで拘束時間を極力短くすることも可能です。クライアント担当者と協力しながら、気持ちよく撮影に協力してもらえる体制をつくることも重要な仕事の一つです。
クライアント、カメラマンと事前打ち合わせ
事前準備の最後に必ずやっておきたいのは、クライアント、カメラマン、その他関係スタッフとの打ち合わせです。
撮影するカットの内容や撮影場所、小道具やモデルの手配など、「誰かがやってくれるだろう」にならないよう、丁寧に打ち合わせを行っておきましょう。
レンタルスタジオを使用する場合は、準備から片付けまでの時間を含みます。内容によりますが、想定撮影時間の前後30分ほど余裕を持って借りておくとよいでしょう。
カメラマンによっては、ポートレート用の照明などは別途費用がかかる場合もありますので、事前に確認しておく必要があります。
そして、いよいよ当日!
ここまで万端に準備ができれば、もはや8割は成功です!前日までに何度もイメトレを繰り返しておきましょう(笑)。
当日は、パンツスタイルにスニーカー推奨です。撮れた写真を一枚一枚見せてもらいながらチェックし、余計なものが映っていないか、モデルさんのネクタイは曲がっていないか、小道具は汚れていないか……などなど、全方位に注意を払いながら進行していきます。
障害物などはphotoshopで消すことができるのですが、できるのであれば不自然な加工はしないのがベスト。どけられるのであれば撮影時にどけておき、余計な加工をしなくて済むようにしたいものです。
カメラマンをしっかり選ぼう
最後に。あたりまえですが、どのカメラマンに撮影を依頼するのかもめちゃくちゃ重要です。依頼を検討しているカメラマンさんの実績等を見ながら、どんな写真が得意なのか確認しておきましょう。
また、コミュニケーションが取りやすいかどうかも非常に重要です。そのカメラマンさんの「アート作品」ではなく、クライアントに納品する「商品」を一緒につくってくれるパートナー。そんな目線で選んでみるとよいかもしれません。
参考までに、弊社でお付き合いさせていただいているカメラマンさまをご紹介いたします。
Natsumetic Photography(小関 晃典)さま/東京
都内を中心に活躍されている小関さん。ビジネス写真のほか、ブライダルフォトや風景写真も得意とされています。
作品を見れば、腕の良さは一目瞭然ですね。イメージ写真も説明写真も抜群に上手です。




ご経験豊富なので、画角の提案やモデルの表情を引き出す和ませトークまで本当にうまい。とても頼りにしています。
株式会社Lili(村田雄平)さま/東京
こちらも都内を中心に活躍されており、でも呼べば全国どこでもきてくれる村田さん(笑)。味のある、「エモい」写真が持ち味です。
静止画のほか、動画も得意とされています。
現在使用中のわたくしプロフィール写真も、村田さんにお願いしました。

手前味噌ですが、弊社代表の香川剛/大分
大分での撮影は、弊社代表が駆り出されることもしばしば。自身でデザインを手がけることもある香川の写真は、いつもWeb屋の表現したいものがバッチリ表現されるので、とてもとても有難いのです(感謝)。




香川の撮影した写真が使われているWebサイト
ちなみに、大分のカメラマンさま!協業のご提案大募集中です。気になるかたはお問い合わせくださいませ。