オウンドメディアは、企業が情報発信するメディアです。Web上での発信は場所や時間などに縛られず、幅広く必要なユーザーにアプローチすることができます。自社の認知拡大のほか、コスト削減やマーケティングに活用でき、人材やリソースが限られる中小企業こそ導入のメリットは大きいといえます。
本記事では、オウンドメディアを検討する中小企業向けに、オウンドメディアを導入すべき理由やメリット、運用体制づくりのポイントなどを紹介します。
また、中小企業のオウンドメディアだからこそ可能な強みの出し方や戦略、課題や注意点などもくわしく解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
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中小企業がオウンドメディアを運用すべき2つの理由
中小企業がオウンドメディアを運用すべき理由は、以下の2つです。
効果的に認知される仕組みを作れるから
1つ目の理由は、オウンドメディアを活用することでユーザーに対して効果的に認知される仕組みを作れるからです。
「認知度」と聞くと「大手企業に勝てないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
確かに、何も手を打たずに大手と比較される場合は一般に知られている大手企業の方が有利でしょう。競合が多い業界では、そもそも検討の選択肢に入れない可能性もあります。
しかし、中小企業が早くからオウンドメディアで自社の商品に関する情報や、ニッチな分野のお役立ち情報を発信する「コンテンツマーケティング」に取り組むことで、認知度の問題は解決可能です。定期的に発信すれば、次第に「○○といえば、この企業」という風に、ユーザーに効果的に認知してもらうことができます。
すると、自社の商品・サービスを必要とする可能性のあるユーザーに情報やイメージをインプットしておくことができます。このインプットにより、検討段階に入った時には既に認知され、インプットしたイメージの分だけ競合より有利な状態を作れるのです。
リソースが少ない中小企業だからこそ、ユーザーに認知される仕組みづくりは重要といえます。
特化した強みを必要なユーザーに届けやすいから
2つ目の理由は、中小企業は自社ならではの特化した強みを必要なユーザーに届けやすいからです。
例えば、大手企業がオウンドメディアで発信するとなると、コンバージョンやPVなどの目標値が全体的に大きくなる傾向にあります。そのため、幅広いユーザーを想定したマス向けで汎用的な商品の発信になりがちです。反感を買わないプロモーションも重要とはいえ、差別化となる特徴的な強みが伝わりにくいとも考えられます。
一方、中小企業は幅広いユーザーに届けるための発信をする必要がありません。
特定のニーズを持つユーザーが対象となる中小企業は、自社商品の特徴や強みを捉えて、必要としているユーザーに限定して情報発信することが有効だからです。情報がピンポイントに届きやすくなり、成果が出る確率が高まるといえます。
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中小企業がオウンドメディアを持つ5つのメリット
中小企業がオウンドメディアを持つメリットは5つあります。1つずつ解説します。
1. 長期的な資産になる
オウンドメディアのコンテンツを継続的に作成すれば、コンテンツが増えて蓄積され、長期的な資産になります。
例えば、SNSはリアルタイムな情報が得られるメリットはありますが、古い投稿が新たな投稿に埋もれてしまい、過去の投稿が見えにくくなってしまう特徴があります。たとえ良いコンテンツを作成したとしても、時間が経つとユーザーに見てもらいにくくなるため、デメリットといえるでしょう。
一方オウンドメディアでのコンテンツは、過去の投稿はカテゴリー別に分けることが可能なため探しやすく、SNSのアルゴリズムやプラットフォームに依存していません。急に削除されたり仕様が変更になったりすることもないため、自社が所有する資産といえます。
また、時間が経過しても、コンテンツは新情報へのリライトが可能で価値も下がりません。むしろ、情報が更新されることはオウンドメディアや企業への信頼につながります。
2. 反応を検証し、マーケティングに活用できる
オウンドメディアを運営する際、顧客やユーザーの反応を具体的な数値で得られます。
例えば、以下のようなユーザーの反応(データ)があります。
- メディアへのアクセス数
- メディアへの流入キーワード
- コンテンツのSEO検索順位
- ホワイトペーパー(資料)のダウンロード数
- 商品ページへのクリック率
これらは、自社の事業のマーケティングに活用可能です。
例えば、アクセス数や閲覧数が多いコンテンツは「顧客が興味関心のある情報」と考えられるため、SNSの発信や商品開発、プロモーションに反映させることで、より成果が見込めるでしょう。
また、流入キーワードの傾向を分析すれば、自社がアプローチすべきターゲット像は、より明確になり今後の発信の改善にもつながります。
3. 自社のブランディングに活用できる
オウンドメディアでの発信は、ユーザーの中に自社についてのイメージを形成する「ブランディング」にもつながります。
オウンドメディアで、ユーザーの役に立つ情報や、悩みを解決するなど質の高いコンテンツを発信することで、事業への共感や理解などが得られます。
継続的な発信の積み重ねで、メディアを運営している自社への信頼につながるといえるでしょう。
4. 潜在客からの認知度を高める
オウンドメディアの発信は、潜在客からの認知度を高めることにもつながります。
潜在客とは「自社の商品やサービスの存在を知らないユーザー」を指します。悩みやニーズはありながらも、ニーズや課題を自覚できていない状態です。
そのため、オウンドメディアで潜在客の課題と解決策がわかるコンテンツを発信することで、「この商品が欲しい」と、ニーズを自覚させるきっかけになります。
すると、自社の商品やサービスを認知することにつながり、新たな顧客候補が得られます。
5. 人件費や広告費用の削減につながる
オウンドメディアを長期的に発信することで、人件費や広告費などのコスト削減につながります。
コスト削減と聞くと「外注費や維持費などが発生するのでは?」と疑問を抱く方もいるかもしれません。確かに、メディアを作っていく際にはサイトの維持費やコンテンツを作成するライターへの外注費などが発生することがあります。
しかし、長期的な発信は社内の業務負担や人件費や広告費などの削減につながるのです。
例えば、オウンドメディアの商品ページ(LP)や問い合わせフォームなどは、自社の営業窓口やユーザーとの接点といえます。複数のコンテンツが検索上位を獲得すれば、継続的にユーザーからの認知が見込める窓口になるでしょう。
オウンドメディアで商品やサービスの購入や申し込みなどの流入を作れるようになれば、それまで営業や顧客獲得に使っていたコスト削減にもつながります。
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オウンドメディアの成功に重要!体制づくりのポイント
オウンドメディアの運用を成功させるには、事前の体制づくりが重要です。ここでは、オウンドメディアをスタートさせる前に、やっておきたいことやポイントを紹介します。
持続可能な環境を把握・用意してスタートする
オウンドメディアは、認知拡大やブランディングなどにうまく活用できれば売り上げや利益の拡大に高井効果を発揮します。一方で、成果が出るまでにはどうしても時間がかかります。長期的な運用が前提となるため、スタートする前から成果が出るまで運用を続ける体制の用意をしておきましょう。
例えば、オウンドメディアに関する以下の項目を確認します。
- オウンドメディアの目的
- 必要なコスト
- 発信するコンテンツの種類
- 主な訴求先
- ターゲット像
- 運営フロー
- 運用に必要な人材
- 各運用担当者の設置
自社のオウンドメディアに必要な項目をピックアップして可視化し、必要なリソースやコストなどの経営資源を確認しましょう。
一番の理想は、社内の人材で全て運営を行えるようにすることです。コンテンツを内製できるのであれば、外部に支払うコストが下がる分、継続しやすくなります。
とはいえ、社内に記事執筆のノウハウや経験のある人材がたまたまいる、なんてことはごく稀でしょう。できる人材がいないのであれば、外部の力を借りて運用体制を作りながら社内にノウハウを貯めていくのがおすすめです。
また、記事作成を外注する場合には、社内の文化や目的を理解した担当者を設置して「自社らしい」コンテンツが生み出せる状態をつくりましょう。
売上に直結するコンテンツ作成からスタートし、成果を出す
オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかるため、途中で挫折してしまったり、予算や社内の都合で打ち切りになったりと、運用が止まるリスクがつきまといます。
リスクを小さくするためにおすすめなのが、「小さな成果を出す」こと。
- ライバルの少ないスモールワードで早めに検索上位を狙う
- 広告やSNS等を併用して問い合わせや資料請求などの実績を作る
上記は一例ですが、「マーケティングで出た成果」を具体的に提示することで、社内で応援してもらいやすくなります。予算の確保や施策の継続だけでなく、記事づくりのためのインタビューや写真・動画等の素材の提供といった協力を得るための環境づくりとしても有効です。
また、小さな成果が出ることで、メディア担当者のモチベーションも高まります。
オウンドメディアで長期的に成果を出していくために、短期の目線も忘れず、成果(購買)に近い場所で打てる施策も考えていきましょう。
オウンドメディアの特徴を社内に周知する
オウンドメディアは、長期的な発信で認知や問い合わせ、購買などの機会をつくります。
しかし、初期から運用コストは発生するため、すぐに成果につながらない場合は費用対効果への疑問を抱かれる可能性があります。すると、社内から協力や理解が得られず、メディアを閉鎖する事態になりかねません。
独自性のあるコンテンツづくりには、社内の担当者へのインタビューやデータの収集などに、協力が得られる環境づくりは重要です。
そのため、社内にはオウンドメディアを本格始動する前から、長期的な運用が必要なことを伝えて理解を得ておきましょう。社内に理解してもらうことで、持続可能な運営につながるといえます。
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オウンドメディアを作る手順とは?具体的な5ステップ
ここまで読み「オウンドメディアはどのように作るのか?」と疑問を抱いた方もいるのではないでしょうか。
オウンドメディアを作る主な手順は、以下の5ステップです。
- 目的をふまえて運用の戦略を練る
- ターゲットを明確化して設定
- オウンドメディア(サイト)を構築する
- 記事作成・発信を行う
- オウンドメディアの反応や効果を分析し、改善する
まずは、自社がオウンドメディアを運用する目的を明確にすることが重要です。目的から逆算することで、必要なリソースや予算が見えてきます。
くわしいオウンドメディアの構築の手順は、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
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中小企業ならではの戦略!オウンドメディアの強みの出し方
中小企業がオウンドメディアで成果を出すには、自社の特徴や強みを出すことが重要です。
ここでは、中小企業がオウンドメディアで成功するために必要な戦略や強みの出し方を紹介します。
市場で差別化できるポジションを獲得する
中小企業がオウンドメディアで情報発信する際は、特化した分野や専門的でニッチなジャンルなどが有効で、ユーザーに届きやすいといえます。
しかし、「オウンドメディアの発信のみで差別化できるポジションを獲得することは不可能」という点を理解しましょう。商品やサービスの設計段階で、市場で差別化できるポジションを獲得しておく必要があるのです。
例えば、オウンドメディアにて「健康志向のレストラン」のイメージに特化して発信したとしても、実際のレストランメニューが健康志向でなければ逆効果です。企業への信頼やイメージが下がり、マイナスになるリスクがあります。
そのため、オウンドメディアは「特徴を作り、ポジションを獲得する」のではなく「商品やサービスに元々ある特徴をユーザーに届けること」を目的とした運営が重要です。まずは自社が市場で差別化できるポジションを明確にしておきましょう。
自社商品の強みや魅力、特徴を深掘りする
中小企業が効果的なオウンドメディアをつくるには、自社の商品・サービスの強みや特徴を把握し、理解することが重要です。
また、前述したポイントでもある「差別化できるポジションを獲得するため」には自社の商品理解は欠かせません。ユーザーにとって魅力や訴求の重要ポイントとなる部分を明確にしましょう。
自社の商品やサービスを理解する手段の1つに、以下の視点から分析する「3C分析」があります。
市場:Customer(ユーザーの属性やニーズなど)
競合:Competitor(競合他社の現状、評価など)
自社:Company(自社の現状や評価、強み・弱みなど)
上記の3つの視点から、商品の品質や解決できること、価格や販売方法などを分析して、自社の強みを明確にするとよいでしょう。
明確化した強みや特徴は、自社のマーケティングにも活用できるメリットがあります。
「ユーザーに対してどのような価値を与えられるのか?競合他社とはどのような点が違うのか?」など、自社の商品やサービスの特徴を深掘りしましょう。
自社商品を本当に必要としているユーザーに正しく届ける
オウンドメディアのコンテンツの発信は「多くの人に自社を知ってもらいたい、伝えたい」と思いがちです。しかし中小企業の場合は特に、万人向けではなく、対象となるターゲットにだけ情報を届ける方が効果を出しやすくなります。
ニーズのないユーザーにまで届けようとすると、記事を作っても購買につながる割合は下がります。さらに、対象やそのニーズが曖昧になることで、本来のターゲットにも届きにくくなるというデメリットも発生します。
そのため、コンテンツを作る際には、届けるターゲットと満たすべきニーズを明確にしましょう。無難に機能紹介だけの記事よりも、「睡眠不足によるパフォーマンス低下の悩みを解決する」のように具体的な記事の方が購入率は高そうですよね?
限られたリソースを効果的に使い成果を高めるために、「自社のターゲットにいかに届くか?」という視点を常に持つことが必要です。
ニーズを正しく把握するために、既存顧客に直接インタビューやアンケートなどを実施するのも有効です。
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中小企業がオウンドメディアを運用するときの課題・注意点
オウンドメディアを運用する際、中小企業ならではの課題や注意点があります。
事前に把握しておくことで失敗やリスクの発生が防げ、安心して効果的な運用がスタートできるでしょう。1つずつ解説します。
リソース不足でメディアの運用が滞るリスクがある
オウンドメディアに初めて取り組む場合は特に、メディアに投入できるリソースが限られるため、運用が滞るリスクがあります。
オウンドメディアは「成果が出るまでに時間がかかる」という特徴があります。そのため、いくら企業の強みや特徴を把握してオウンドメディアをスタートさせたとしても、継続できなければ成果が見込めません。
「運用にはどのようなリソースが必要か、予算や人材はどのくらい必要か?」などを予測して必要なリソースを確保しましょう。持続可能な環境を作ることが、運用を滞らせないために重要です。
効果的なコンテンツを作成できる人がいない
効果的なコンテンツを作成するには、基本的なWebの専門用語の理解や知識、スキルが必要なこともあります。例えば、コンテンツを検索エンジンの上位に表示させたい場合はSEOの知識やスキルは欠かせません。
しかし、世の多くの企業には「SEOに詳しくてクオリティの高い記事が書ける」都合の良い人材がいることは稀です。そのため、自社でメディアをイチから始める場合、運用できる体制を築くまでに一定の時間がかかることが予想されます。
全て自社で賄うことが難しい場合は、外部の専門業者にお願いして運用体制を構築するのも一案です。コンテンツ制作会社や外部のライターに依頼することも検討しましょう。
ただし、コンテンツを増やすだけでは成果が出ない可能性もあります。独自性があり、読者の問題解決ができるコンテンツでなければ、読まれないからです。
あらゆる角度から自社のメリット・デメリットを検討して、効果的なコンテンツ作成が可能な体制をつくりましょう。
運用フローやサイトの作り方、ツールの操作がわからない
Web関係の業務を行っていない企業であれば、オウンドメディアの知識や仕組みをイチから理解しなければなりません。
しかし、リソースが少ない中で知識も経験もない施策を勉強するとなれば、オウンドメディア開始前に挫折するリスクもあるでしょう。
そのような場合、オウンドメディア制作や運用支援を行っている会社に依頼するのも選択肢の一つです。
ただし、中小企業のオウンドメディアの戦略を熟知した会社に依頼することが重要です。認知度があって発信すればすぐにでも反応が見込める大手に対し、自社の強みや特徴を活かしたオウンドメディアづくりが中小企業には必要だからです。大手企業のオウンドメディアとは運用の戦略が異なるため、注意しましょう。
なお、株式会社プレアでは、中小企業の特徴をふまえたオウンドメディアの制作・運用支援を行っています。自社の特徴や強みを伝え、ブランド力を底上げする制作や提案が可能です。
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中小企業のオウンドメディアは独自の強みを発信と体制づくりが重要
本記事では、中小企業がオウンドメディアを運営すべき理由やメリット、運用のポイントや注意点などを解説しました。
中小企業がオウンドメディアで成果を出すためには「自社の強みの把握」と「体制づくり」がポイントです。特化した強みや特徴を発信することが成果への近道といえます。また、オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかるため、持続可能な体制づくりを行うことも重要です。
オウンドメディアの運用を検討する際には、ぜひ今回解説した内容を参考にしてみてください。必要であれば、制作会社に依頼をして効果的なオウンドメディアをつくることも検討してみましょう。
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