コンテンツマーケティング戦略の必要性と立て方|よくある課題とその解決法も解説

三島 友洋

編集者:三島 友洋

【編集長 / マーケター / WEBディレクター】東証プライム(旧東証一部)上場企業にてメディア運営を経験したのち、WEBディレクター・デザイナーとして独立。中小企業のサイト制作における内部SEO対策やコンテンツ設計、メディアのSEOライティングを通じてSEO施策に携わる。2021年〜株式会社プレアに入社、メディア部門の編集長としてオウンドメディア、コンテンツマーケティングを担当。

菅原 光拳

執筆者:菅原 光拳

2018年からライター活動を開始し、様々なジャンルの記事執筆を担当。現在は、記事執筆に加えて、ディレクターとして複数のメディアの編集・運営に従事。

ブログや動画、メルマガなどのコンテンツを活用したコンテンツマーケティングは、集客に効果的な施策です。とはいえ、ただ実施するだけでは効果を得るのは難しく、成功させるためには綿密な戦略が重要になります。

この記事では、コンテンツマーケティングに欠かせない戦略の必要性や立て方を詳しく解説します。戦略立案のステップ、ぶつかりやすい課題とその解決法にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティング戦略を知っていく前に、そもそもコンテンツマーケティングとは何かを理解していきましょう。

コンテンツマーケティングとは、「コンテンツ」を活用したマーケティング手法のこと。ここでの「コンテンツ」には、以下のようなものがあります。

  • オウンドメディア
  • SNS
  • セミナー
  • チラシやハガキなどの紙媒体
  • メールマガジン
  • Podcastなどの音声媒体
  • 書籍、電子書籍
  • YouTubeなどの動画媒体

顧客にとって魅力的なコンテンツを継続的に発信することで、ファンの獲得や企業のイメージアップなど、様々な効果を期待できます。コンテンツは資産になるため、単発ではなく、継続的な流入を見込めるのも嬉しいポイントです

顧客の獲得やブランディングのための手法は他にも数多くありますが、近年コンテンツマーケティングが重要視されているのは、従来の販売活動やマーケティング手法に限界が見えてきているからです。

ユーザー自身がインターネットやSNSなどで情報を探すようになり、広告を使って売り込む手法は成果を上げにくくなっています。その一方で、役に立つコンテンツを作成してユーザー自身に見つけてもらい、その先の検討や購入につなげるコンテンツマーケティングが注目されています。

そして、コンテンツマーケティングに欠かせない「戦略」とは、目標・ゴールを達成するための計画を立てることです。どのようなコンテンツをつくるか、どのくらいのリソースが必要かなど、様々な手法や手段を想定することによって、コンテンツマーケティングを成功に導きやすくなります。

コンテンツマーケティングに戦略が必要な理由

コンテンツマーケティングに戦略が必要な理由は、ファンの獲得や売上アップといった成功につなげるためです。

戦略を立てることで得られる3つの効果を確認しましょう。

費用対効果を高めることができる

コンテンツマーケティングには、記事を制作する、動画を撮影・編集する、SNSでの発信など、様々な工程があります。

各工程を担当するスタッフ、作業に当てる時間、外注やツールに使う資金など、様々なコストがかかります。戦略なしに実施してしまえば、重要度の低い施策に大きな予算を投入してしまったり、追加で費用が発生したりするなど、無駄なコストが発生しやすくなります。限りある経営資源を有効に使うために、軸となる戦略を持っておく必要があります。

コンテンツの軸が定まる

コンテンツマーケティングを成功させるためには、軸を定めブレないことが大切です。コンテンツの内容やターゲットなどの戦略が決まることで、コンテンツを届ける相手やユーザーにアプローチする方法、達成すべき目標などが定まります。

コンテンツマーケティングは、複数人のスタッフによってチームで運営するのが基本です。そのため、戦略が練られず、思い思い動いてしまえば、コンテンツの方向性がブレてしまい、成果を期待しにくくなります。

ユーザーとの接点が明確になる

コンテンツマーケティングは、どのようなコンテンツを発信するかも大切ですが、発信する手段も重要です。コンテンツを発信すれば集客やイメージアップを実現できるのではなく、ユーザーとのつながりが生まれなければ効果は期待できません。

そこで、ユーザーとの接点を明確にするために戦略が必要になります。自社のターゲットがよく利用する媒体、コンテンツの種類などを戦略的に分析し、ユーザーとつながる道筋をしっかり決めましょう。

効果的なコンテンツマーケティング戦略を作成するポイント

効果的なコンテンツマーケティング戦略を立てるには、必要な情報の整理と自社商品やサービスの独自性の明確化が必要になります。そのために意識したいポイントを3つ確認しましょう。

カスタマージャーニーを整理する

カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを購買するまでのプロセスを可視化するフレームワークです。

顧客が何で商品・サービスを認知し、どの手段で購入するかを明らかにすることで、発信すべきコンテンツやアプローチする手段が検討しやすくなります。

カスタマージャーニーは、以下の流れでつくっていきましょう。

カスタマージャーニーの作成手順
  1. ペルソナ・ターゲットを設定する
  2. 目的に沿って項目を決める(ペルソナ、時系列、顧客との接点、顧客の行動、顧客の思考など)
  3. 項目を埋めていく

カスタマージャーニーが完成した後に修正点が生じたときは、適宜改善をしましょう。顧客の変化に合わせることで、後述するコンテンツマップや戦略の精度が高くなります。

コンテンツマップを活用する

コンテンツマーケティングを成功に導くためには、コンテンツの質が重要です。やみくもにコンテンツを制作・発信しても、ユーザーにとって良いものでなければ意味がありません。

最適なコンテンツをつくるために、カスタマージャーニーを元にしたコンテンツマップの作成が効果的です。コンテンツマップとは、コンテンツの構成を可視化した図のこと。コンテンツの全体像を把握することで無駄な制作コストを省くことできます。

コンテンツマップは、以下の手順で作成するのが一般的です。

コンテンツマップの作成手順
  1. カスタマージャーニーをもとにペルソナが求めるコンテンツを洗いだす
  2. 洗いだしたコンテンツをカテゴリ別に分ける
  3. コンテンツ案をマップにまとめる
プレア
プレア

最初はテーマから連想してできるだけ多く書き出してみましょう!最終的には検索ワード(「英語 資格 おすすめ」など)の形に落とし込むと記事のイメージがしやすくなります。

無理な差別化をしない

インターネット上には同ジャンルのコンテンツも数多くあるため、自社のコンテンツを見てもらうためには独自性が必要になります。ただし、無理に「差別化」を考えるのは逆効果。

差別化しようと競合他社ばかり見ていて、ユーザーがいらないものを作ってしまっては目も当てられません。

とはいえ、いきなり「ユーザーのニーズを満たした強み」と言われてもイメージしづらいですよね。そういう場合は、まず以下のような切り口で考えてみましょう。

  • なぜその事業をやっているのか
  • なぜお客さんが自社のサービスや商品を選んでくれたのか
  • 自社の顧客にはどんな人や企業が多いのか

商品やサービスが売れた時を振り返って、強みやニーズが見えてきたら、あとは目標に合わせてアップデートするだけ。目標達成のために何人に届けばいいのか、ターゲットになるのは市内なのか県内なのか、そしてそのターゲットの必要とするものは現在の顧客と同じなのか。

一つひとつ確認しながら、まだ見ぬお客さんへ届けるコンテンツを作っていきましょう。

プレア
プレア

そもそも、世界一の企業を目指すのでなければ、「世界に一つだけの強み」は必要ありません。特定の地域で一番を目指すなら、その地域のターゲットが求めるものと自社の提供できるものが一致すればいいのです。

コンテンツマーケティング戦略の立て方・8つのステップ

コンテンツマーケティング戦略を立てるためには、順序良く進めることが大切。現状を把握し、目標を設定するなど、土台を固めながら取り組むことによって、根拠のある戦略を立案できます。

ステップごとに、ポイントを詳しく解説していきます。

コンテンツマーケティング戦略の作成手順
  1. 現状を把握する
  2. ゴール・目標を決定する
  3. ペルソナ・ターゲットを明確にする
  4. コンバージョンまでの流れを整理する
  5. コンテンツを発信する媒体を決める
  6. コンテンツづくりに向けた体制を整える
  7. コンテンツを制作・発信する
  8. 効果測定と改善を繰り返す

1.現状を把握する

戦略を立てるために、自社の現状を把握しましょう。現状を整理することによって、コンテンツマーケティングを実施する目的が明確になります。自社の強み・弱み、課題、競合他社や業界を取り巻く環境、顧客との関係などを細かく分析し、自社の現状を洗いだすことが大切です。

既にコンテンツマーケティングを実施している場合には、これまでのコンテンツを見直しましょう。成果のあったコンテンツの内容、反応があったユーザーの特性などを整理し、戦略に生かせる部分を見つけるのが分析のポイントです。

2.ゴール・目標を決定する

現状分析によって、自社の強み以外にも、顧客の獲得が上手くできていない、知名度が低いなどの課題が見えてくるはずです。

課題を解決するために、コンテンツマーケティングで達成したいゴール・目標を決めましょう。ここで大切にしたいのは、目的から成果を明確に定義すること。

例えば、オウンドメディアの場合、PV数や流入数など数値目標を設定しがちですが、最終的に目指したいのは問い合わせや資料請求などの成果であるはずです。課題解決のためにどのような成果を実現したいかを逆算し、より具体的なゴールを設定しましょう。

3.ペルソナ・ターゲットを明確にする

ペルソナやターゲットは、コンテンツを届けたいユーザー像のことです。コンテンツマーケティング戦略においては、コンテンツのテーマやアプローチ手段を決める材料になるので、特に力を入れて明確に設定する必要があります。誰に向けて発信するかが定まると、コンテンツやメディアの方向性が統一しやすくなります。

ペルソナは、「〇〇が気になっている人」といったシンプルな設定ではなく、年齢や性別、居住地、趣味、暮らし方、悩みなど細かく設定します。ある一人の人をイメージしながら検討すると、具体的なペルソナを設定しやすいです。

プレア
プレア

ペルソナの作り方は以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください!

ペルソナの作り方良質なペルソナの作り方【マーケティング現場ですぐ活用できる実例付】

4.コンバージョンまでの流れを整理する

次に、商品の購入やサービスの契約などコンバージョンまでの道筋を整理しましょう。このステップでは、前述したカスタマージャーニーが役立ちます。商品・サービスに触れてから購買までのプロセスを把握することで、コンテンツの内容や配信する媒体を検討しやすいです。

5.コンテンツを発信する媒体を決める

カスタマージャーニーを参考に、コンテンツを発信する媒体を決めましょう。目的によって、顧客に効果的なアプローチ手段が異なるので、適切な媒体を選ぶ必要があります。

顧客の段階に合った効果的な媒体の例は、以下の通りです。

  • 認知:SNS、プレスリリース、ブログ など
  • 興味・関心:LP(ランディングページ)、動画、オウンドメディア、ブログ など
  • 比較・検討:LP、オウンドメディア、ブログ など
  • 購入:LP、オウンドメディア など

商品・サービスを知らない状態では、SNSやプレスリリースなどで認知されるケースが多いです。もっと知りたい、購入したいなど購買行動に近づくほどに、詳細な情報がわかるLPや動画などを利用する傾向があります。

商品・サービスの知名度を上げたいときはSNSやプレスリリース、認知度はあるものの購入につながらないときはLPやオウンドメディアを活用すると、成果を期待できるでしょう。

6.コンテンツづくりに向けた体制を整える

コンテンツ制作を始める前に、体制づくりをしっかり行いましょう。制作や運営に関わるスタッフ、使用できる予算を確保し、制作スケジュールを計画するなど、継続的に取り組める組織と仕組みを整えることが大切です。

中でも、長期的にコンテンツマーケティングを行う上で、スケジュールや計画表は欠かせません。月あたりの記事数、配信数といった大きな計画、記事や投稿あたりの制作ペースなどを決めましょう。効果測定や見直しのタイミングなども決めておくと、改善も行いやすくなります。

7.コンテンツを制作・発信する

ここまで準備を整えて、やっとコンテンツ制作に取り掛かることができます。コンテンツは、ターゲットのニーズを満たしながら、自社の強みを生かしたものを制作しましょう。ユーザーに響きつつ、他社にはない独自の情報を発信でき、成果まで導きやすくなります。

コンテンツで重視すべきポイントは、記事ごとの目的によって様々です。SEOで上位表示を目指したいなら検索意図を網羅したもの、SNSで拡散してもらいたいならトレンドを意識したものなど、目的に応じたコンテンツづくりによって成果を期待できます。

もう一点気を付けたいのは、興味を持たせる、商品を購入してもらうといった目的を一つのコンテンツに詰め込まないことです。ユーザーによって興味・関心の度合いは異なるので、要素を入れすぎると、ニーズとのズレが生まれやすくなります。興味を惹くコンテンツ、購買につなげるコンテンツを分けて制作し、役割を明確にするのがポイントです。

8.効果測定と改善を繰り返す

一度立案したコンテンツマーケティング戦略は、その時はニーズに合ったものでも、社会の状況やトレンドなどによって変化や軌道修正が必要になることがあります。

小さな変化に気づくためには、日々の効果測定が重要です。PV数やコンバージョン数、顧客の属性などのデータを蓄積することで、傾向の変化を発見できるでしょう。分析結果を元に、コンテンツの内容を改善したり、発信する媒体を変更することによって、常にユーザー目線のコンテンツマーケティングを実行できます。

体制づくりの項目で触れましたが、効果測定や改善のタイミングをあらかじめスケジュールに組み込むのもおすすめです。日々の情報収集と改善が習慣になり、効率的にPDCAを回すことができます。

プレア
プレア

継続が重要なコンテンツマーケティングでは、習慣化してしまうのが成功への近道です!

コンテンツマーケティングの戦略立案でぶつかる課題

コンテンツマーケティング戦略を立てるにあたって、以下のような壁にぶつかることがあります。

成果に即効性がないこと、人材や時間が必要になることから、まず社内の理解を得ることが第一のハードルになるでしょう。3つの課題と合わせて、解決策も解説していきます。

3つの課題
  • 予算を確保するのが難しい
  • 人手や時間が多く必要になる
  • すぐに成果が出ない

予算を確保するのが難しい

コンテンツマーケティングは即効性のある施策ではなく、中長期的に取り組む必要があります。そのため、社内で戦略を提案する際に、アピールできる成果が少なく、予算を確保しにくいのが壁の一つです。

理解を得て十分な予算を確保するためには、より具体的な戦略を立てること、コンテンツマーケティングの重要性を伝えることが重要になります。説得力のある戦略であれば、経営資源を割り当てられ本格的に始められる可能性が高いです。

コンテンツマーケティングの重要性を伝える上では、競合他社の取り組みや成功事例は響くポイントになります。他社で成果が出ているなら、自社でも力を入れるべきと考えるケースも多く、十分な予算を確保できるかもしれません。

人手や時間が多く必要になる

予算の次に、想定よりも必要になるのが人手と時間です。例えば、オウンドメディアを始める場合、メディアを管理する編集者、コンテンツを作成するライターなど、多くの人手が必要になります。

1記事投稿すれば顧客を獲得できるわけではなく、年単位で継続的にコンテンツ制作・発信を続けなければならないので、時間も十分に確保する必要があります。

長期間にわたって運営できる体制を整えるためには、納得感のある戦略が必要です。経営資源を割り振るべき取り組みであることが伝われば、人材や時間の課題はクリアできるでしょう。

どうしてもリソースが足りない場合は、アウトソーシングを活用するのも方法の一つです。費用はかかるものの、知見を持った外部企業にコンテンツマーケティングを依頼することで、成果を期待できるでしょう。

ただし、アウトソーシングにまかせっきりになると、自社にノウハウが蓄積されません。将来的に自社で運営できるように、マーケティングの手法や戦略を学ぶ姿勢が求められます。

すぐに成果が出ない

コンテンツマーケティングは、効果的な取り組みであるとともに、成果を実感できるまでに時間がかかる施策でもあります。

質の高い戦略を立てたとしても、長期的な取り組みが不可欠です。例えば、オウンドメディアでは、記事が検索ページで上位に表示されるためには、記事の質以外にも、記事数やドメインの信頼性なども関係していると言われています。そのため、続けることが前提であり、徐々に成果が見えてくるのが特性です。

また、長く取り組んでいても成果が出ないこともあります。閲覧数が伸びない、購入や利用につながらないなどの課題に対して、コンテンツの修正をこまめに行うことも大切です。

成果が出るまでは我慢が必要になりますが、徐々に効果が現れます。コンテンツを通じて、今すぐに購入・利用しない潜在客に接触でき、検討する段階で既に商品・サービスが選択肢に入っている状態になっているので、成約までの距離を縮められるのがメリットです。我慢強く、地道にコンテンツを発信し続けることを重視しましょう。

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効果的なコンテンツマーケティング戦略を立案しよう

コンテンツマーケティングは中長期的な取り組みが必要になるため、計画的に実施するために戦略立案が欠かせません。目標やターゲットを明確に定め、最適な媒体でユーザー目線のコンテンツを発信し続けることで、潜在客の獲得や売上アップなどを実現できます。

地道な取り組みが成果につながるため、戦略的に実践するためには、社内の理解やリソースの確保が重要です。誰もが納得する戦略を立て、理解を得た上で、コンテンツマーケティングを推進していきましょう。

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